談話・声明など

談話(2018年8月8日)

東京医科大入試の女性一律減点に抗議し、男女ともに仕事と生活を両立し、人間らしく働き続けられるような環境整備を求めます
                             2018年8月8日
                             日本婦人団体連合会
                             会長 柴田真佐子 

 東京医科大の入試不正問題を調べていた内部調査委員会は8月7日、調査報告書を発表、同大学が女性受験者の合格を抑制する女性差別をしていたことを認定しました。報告書は今年度の一般入試の2次試験で、受験者の性別などによって得点調整をしていたことを指摘し、女性差別の得点調整は遅くとも2006年以降の入試で行われていたことも明らかになりました。
このような「調整」は、いかなる理由をつけようとも許されない明白な女性差別であり、人種や性別などによる差別を禁じた憲法に反します。また、「出産における女性の役割が差別の根拠となるべきではなく、子の養育には男女および社会全体がともに責任を負うことが必要である」と規定し、あらゆる形態の女性差別すなわち「性に基づく区別、排除または制限」の撤廃を求める女性差別撤廃条約に明確に違反するものです。断じて認めることはできません。
同大学の言う「女性医師は結婚、出産、子育てで医師現場を離れるケースが多い」というのが現実であるならば、結婚、出産、子育てと医師の仕事の両立を可能にするワーク・ライフ・バランスのための環境整備こそが求められます。子育てや家事の負担が女性に偏っていることの是正ももちろん必要です。
 OECD諸国で女性医師の割合は増加し続け、女性医師が過半数を占める国も多数ありますが、日本の女性医師割合は最下位の20・4%で平均の39・3%をはるかに下回り(2015年)、医学部入学者に占める女性割合は1998年ごろから3割の程度で推移しています。
女性医師の離職原因は、医師不足を背景とする長時間労働など医師全般の過酷な働き方にあります。日本の医師数はOECD諸国でも低水準ですが、政府は医師の過労死レベルの労働を前提とし、医師数増に消極的です。
 私たちは、「女性の活躍」を標榜する政府のもとでこのような露骨な性差別が行われてきたことに厳重に抗議し、憲法と女性差別撤廃条約に基づくジェンダー平等社会の実現を求めます。そして、他の大学の実態も含めた徹底した真相究明による再発防止とともに、医師数増および、男女とも仕事と生活を両立し、人間らしく働き続けられるような環境整備を求めます。

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声明(2018年6月20日)

米朝首脳会談を歓迎し、東アジア・世界の非核・平和の実現に力を尽します
                               2018年6月20日
                                日本婦人団体連合会会長
                                      柴田真佐子
 米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長は、6月12日にシンガポールで初の首脳会談を行いました。共同声明では、朝鮮半島の平和体制構築への努力と完全な非核化をめざすことで合意し、朝鮮戦争の終結と平和協定締結をめざすこと(「板門店宣言」)の支持も表明しました。
日本婦人団体連合会は、1953年4月、朝鮮戦争の終結を求め、日本の再軍備に反対し、平和を願う全国の女性が力を合わせることを目的に結成されました。その後一貫して平和のための国内外の女性の共同行動に力を尽くしてきた団体として、非核・平和に向けた今回の重要な一歩を心から歓迎します。
 朝鮮半島の非核化と平和体制構築への動きが今後着実に前進するならば、東アジア地域の情勢は大きく変わることが期待されます。そのためには、米朝両国の誠実な努力とともに、国際社会の協調したとりくみ、この動きを支持する世論と運動が不可欠です。
 「国連軍」後方体制の当事者としても、戦争による唯一の被爆国としても、日本政府の役割は重要です。圧力一辺倒ではなく、朝鮮戦争終結と平和体制構築、朝鮮半島の完全な非核化に積極的に関与すべきです。そして、「慰安婦」問題解決を含む過去の植民地支配の清算など日朝間の諸懸案を包括的に解決し、国交正常化のための努力をすべきです。
婦団連の加盟する国際民主婦人連盟は、朝鮮戦争中の「国連軍」の名による米軍の戦争犯罪を調査・告発し、世界に戦争終結を呼びかけた歴史をもっています。国際民主婦人連盟代表団は4月に平壌を連帯訪問し、すべての軍事基地撤去、核兵器廃絶、朝鮮半島の自主的再統一と平和のために世界の女性の力を発揮しようという宣言を発表しました。
 婦団連は、朝鮮半島の非核化と平和体制構築を推進するのはこうしたNGOの行動を含む幅広い国際連帯であることを再確認し、改憲を許さず、日本と東アジア・世界の非核・平和を実現するためにさらに奮闘します。

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談話(2018年5月29日)

過労死を増やし、格差を固定化する「働き方改革」一括法案の強行採決に抗議する
                             2018年5月29日
                              日本婦人団体連合会 
                                会長 柴田真佐子

 安倍内閣は、「働き方改革」一括法案を5月25日衆議院厚生労働委員会で「過労死家族の会」の訴えに耳をかすこともなく労働者、労働組合、法曹関係者、学者・研究者の声を無視し十分な審議も行わず強行採決しました。日本婦人団体連合会は、過労死を増やし、女性が平等に働き続ける権利を侵害する「働き方改革」一括法案の強行採決に抗議します。
 「高度プロフェッショナル制度」は過労死促進制度であることが明らかになりました。
 過労死や過労自死の重要な原因のひとつである長時間労働の規制が求められているにもかかわらず、単月100時間未満、2~6か月各平均80時間未満の時間外労働の上限規制では過労死・過労自死はなくなりません。
 「女性の活躍」「女性が輝く社会」の実現を本気で推進するのであれば、何より長時間労働をなくすことです。「高度プロフェッショナル制度」の創設をやめ、時間外労働の上限は「月45時間、年360時間」とすべきです。
 女性労働者の約6割が非正規労働者です。非正規労働は、雇用不安と低賃金、社会保障制度の恩恵からほど遠いなど、生涯を通じ女性の貧困と格差を固定化しています。高齢女性の多くが無年金、低年金のもとで、人間らしいくらしを奪われています。安倍政権は、社会保障の大改悪の一方で、労働力不足・少子高齢化を掲げ、「多様な働き方」の名のもとに非正規労働の拡大をねらっています。
 「同一労働・同一賃金」の実現をはかることについても、この法案では正規と非正規の格差が固定化され改善は望めません。
 このような問題の多い「働き方改革」一括法案は、女性の人間らしく働く権利を奪う制度改悪です。法案の基となった調査データのねつ造が判明し、法案論拠が破綻していることはこれまでの国会論戦で明らかです。
 過労死・過労自死を増やし労働者の命を奪い、家族の日常を壊す「働き方改革」一括法案の強行採決に抗議し、廃案を求めます。

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談話(2018年5月17日)

政治分野における男女共同参画推進法の成立を歓迎し、実質的なジェンダー平等の前進を求めます
                              2018年5月17日
                              日本婦人団体連合会
                               会長・柴田真佐子

 政治分野における男女共同参画推進法が、5月16日に参議院本会議で全会一致で可決・成立しました。この法律は罰則規定がない理念法であり、衆参両院や地方議会の選挙で、政党や政治団体に、男女の候補者数を「できる限り均等」とすることや目標の設定など自主的な取り組みも求めるものです。また、国や自治体には、国内外の状況に関する実態調査、啓発活動などの「必要な施策」の策定・実施の努力義務を課すものです。
 日本の国会議員の女性比率は衆議院10・1%(47人)、参議院20・7%(50人)ときわめて低く、列国議会同盟(IPU)の各国下院の調査(4月1日時点)では193カ国中158位です。候補者に占める女性の割合は昨年の衆院選で17・7%、「女性ゼロ」の市町村議会は352と全体の2割を占めます(朝日新聞5月17日付)。本法成立は、このように国際的にも際立って遅れている日本の女性の政治参画を後押しするものとして歓迎します。
 重要なことは、この法律の成立を機に、実質的なジェンダー平等の実現に向けて前進することです。いま日本では、政権が「女性の活躍」を標ぼうしながら財務次官のセクハラを擁護する閣僚の暴言が続き、首相もそれを容認するという異常な事態の中で、「セクハラのないジェンダー平等社会を」という世論と運動が広がっています。政治分野における女性参画を推進することは、国際的な到達からかけ離れた女性の人権状況を改善するための喫緊の課題です。
 また、本法の目的は「政策の立案や決定に多様な国民の意見が的確に反映される」こととされており、そのためには、民意の反映を著しくゆがめている小選挙区制を廃止し、国民の多様な意思が正確に反映される選挙制度への抜本的な改革が必要です。

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緊急声明(2018年4月19日)

セクハラ疑惑への政府・財務省の対応に強く抗議し、福田淳一事務次官の罷免、麻生財務大臣の辞任を求めます

                                 2018年4月19日
                               日本婦人団体連合会
                                会長 柴田真佐子 

複数の女性に対するセクハラ行為が報道された財務省福田淳一事務次官が多くの批判を受けて辞任を表明しましたが、セクハラの事実は否定し、「女性が接客する店で『言葉遊び』を楽しむ」などという女性蔑視発言への反省もありません。辞任は当然ですが、辞任による幕引きは許されず、セクハラへの反省もない次官は罷免すべきです。

 また、セクハラ事件の対応には被害者の人権保護が最重要であるにもかかわらず、財務省が被害者に自ら名乗り出るよう求めているのは、セクハラ被害の本質を全く理解していない対応であり、強く抗議するとともに撤回を求めます。さらに、麻生財務大臣が「名乗り出がなければセクハラの認定をしない」と表明しているのは、財務省によるセクハラ事実の隠ぺいと言わざるを得ません。次官を擁護してきた財務省の対応は許されるものではなく、麻生大臣の辞任は当然であるとともに、こうした対応を容認してきた安倍政権の責任が問われる問題です。

 日本ではまだセクハラを許容する風潮が強く、被害者が泣き寝入りせざるを得ない実情がありますが、世界では “#Me Too”運動が各地に広がっています。「女性に対する暴力根絶」を掲げる日本政府はセクハラ一掃の先頭に立たなくてはならないにもかかわらず、今回の対応は、世界の流れから見ても政府の本来の立場から見ても異常なものであり、多くの女性・国民、野党はもちろん与党の中からも批判の声があがっています。

 私たちは、すべての女性が安心して生活し働ける社会の実現のため、今回のセクハラ疑惑への政府・財務省の対応に強く抗議し、福田淳一事務次官の罷免、麻生財務大臣の辞任を強く求めます。

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談話(2018年3月30日)
民法の一部を改正する法律案について結婚年齢の男女統一を歓迎し、法改正後の速やかな実施を求めます

                          日本婦人団体連合会
                           会長 柴田真佐子

結婚できる年齢(「婚姻適齢」)を、現行の「男性18歳、女性16歳」から「男女とも18歳」とする条項を含む民法改正案が3月13日に閣議決定され、国会に提出されました。結婚年齢の男女差別は、国連の人権理事会、自由権規約委員会、女性差別撤廃委員会から「差別的規定」として繰り返し解消を勧告されていたものです。婦団連は2004年以来毎年国会請願を行ってきている「民法・戸籍法の差別的規定の廃止・法改正」の一つである結婚年齢の統一の実現を歓迎し、今国会での法改正を強く求めます。
改正案では法の施行を原則として2022年4月からとしていますが、法務大臣の諮問機関である法制審議会が1996年に民法改正を答申してからすでに20年余りが経過しており、結婚年齢の統一は法案成立後直ちに実施すべきです。 
さらに、「選択的夫婦別姓の導入」「女性の再婚禁止期間の廃止」「戸籍法に残された婚外子差別の廃止」についても、「民法・戸籍法の差別的規定廃止・法改正」として速やかに実施することが必要です。

なお、今回の改正案は「成年となる年齢及び女の婚姻適齢をそれぞれ18歳とする」というものですが、現状においては,民法の成人年齢の引き下げについては慎重であるべきです。
民法では、未成年者は無条件に契約を取り消すことができます。しかし、改正後は、高校生でも18歳になれば一人で高額な買い物やスマホ用ネットゲーム、各種ローン、サラ金などの契約をすることができ、「親の同意のない契約は原則として取り消せる」という規定は適用されなくなります。現在20歳を超えると急増する消費者被害が、18歳、19歳の層に拡大することは明らかです。アダルトビデオ出演なども含む悪質業者との契約に関しても、契約を無条件に取り消すことができなくなり、被害増加が十分に予想されます。離婚後の養育費支給を「子が成人に達するまで」としている場合には支給年数が減少し、その悪影響も懸念されます。 
成人年齢引き下げについてはこの他にも様々な問題点が指摘されていますが、その検討や解決のための施策は十分ではありません。
成人年齢の引き下げについては、法案として切り離して審議することを求めます。

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談話(2018年3月9日)

南北首脳会談開催合意を歓迎し、北朝鮮問題の対話による平和解決を求めます

2018年3月9日
日本婦人団体連合会(婦団連)
会長 柴田真佐子
今回、南北朝鮮の首脳会談の4月末開催等が合意されたことは、地域の緊張緩和に向けたきわめて重要な動きとして歓迎します。
北朝鮮側は朝鮮半島非核化の意思を明確にし、米国との対話を行う用意があると表明しています。私たちは、米国と北朝鮮との直接対話が、破滅をもたらす戦争を回避し、北朝鮮の核・ミサイル開発問題の平和的解決、朝鮮半島の非核化・恒久平和につながることを期待し、米国と北朝鮮の対話の開始を求めます。
米国のトランプ大統領を含む国際社会がこの動きを歓迎しているにもかかわらず、安倍政権が「対話のための対話は無意味」などと、依然として南北対話の進展を妨害する「圧力外交」の態度をとっているのは異常な対応と言わざるを得ません。
婦団連など100か国以上の女性団体が加盟する国際民主婦人連盟は、1945年の創立以来、女性の権利、子どもの幸せ、恒久平和を共通の目的として活動してきました。朝鮮戦争中には、17か国20人の女性による調査団を戦地に派遣して「国連軍」の名による米軍の戦争犯罪の悲惨な実態を調査・告発し、朝鮮戦争停戦のための国際世論形成に大きな役割を果たしました。婦団連は、国際民婦連がこうした歴史をもつ国際女性団体として今回の南北対話への動きを歓迎し、朝鮮半島の非核化・恒久平和の実現に貢献することを呼びかけてきました。「戦争は避けなければならない」と、対話による平和的問題解決を求める共感の声が寄せられています。
今回の南北合意を契機に、米国が北朝鮮との対話に踏み出すことを強く求めるとともに、日本政府に対しては、南北の融和と対話への妨害をやめて、北朝鮮問題の平和的解決の促進のために努力することを求めます。

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